5)実数倍

 複素数の実数倍は、複素数の乗法の式により計算できます。

 複素数の乗法は、Z=(a,b) (c,d)=( ac-bd, ad+bc)なので、b=0とすれば、
Z=(a,0) (c,d)=( ac, ad)=a(c, d)となり、複素数c+diの実数a倍が求まります。

 mを実数とするとき、複素数Z1=a+biをm倍した複素数Zは、Z=ma+mbiになり、複素平面では、Z=m(a,b)=(ma,mb)となります。

 POV−Rayでは、#local Z1=;とすれば #local Z=m*Z1;により、複素数Z1のm倍をベクトル演算のスカラー倍として計算できます。