<篭目>拝啓

 友達二人と遊んでの帰り道、篭の中に閉じ込められている鳥を見つけた。
 近づいて、篭の目から中を覗くと、鳥と目が合い、
 その瞬間、まわりの空間が歪んで、夜明けと晩が凄い速さで繰り返され、友達二人の姿がきえた。
 それと同時に、背中にぞっとするものを感じた。 まさか、後ろに何か居るのか。
 怖い気持ちを振り切って、振り返ってみると、そこに居たのは、長い尾を引いた私の影法師だった。