鶴の怨念返し<飛鶴>

 慌てていたので、転んで片方の足を岩の隙間に挟んでしまいました。
 佐太郎は足を抜こうとしましたが、足が痛くなるだけで、どうにも抜けません。

 お鶴がどじょうを取っての帰り道、そこに差し掛かり、
 佐太郎に駆け寄って、肩をかして立たせ、「夫の仇」と言って、
 持っていた鎌で、佐太郎の挟まっている方の足を切り落としました。

 そしてお鶴は「必ずもう一方の足も切り落としにやって来るからな」と言って、
 鶴の姿に戻り、その場から飛び去ったとさ。